絶好調の日もあれば、なんとなく気分が乗らない日もある――体調や気分にも波がある、という感覚は、多くの人が日々の暮らしの中で実感しているのではないでしょうか。この波を生年月日から数式的に読み解こうとする考え方が「バイオリズム」です。占いとはやや異なる出自を持つこの理論について、天啓の防壁がご紹介します。
身体・感情・知性、3つの周期
バイオリズムでは、生まれた日を起点に、身体面の調子を示す23日周期、感情面の調子を示す28日周期、知性面の調子を示す33日周期という、3つの異なるサイクルが同時に巡っているという考え方をとります。それぞれの周期をグラフに描くと、山と谷を繰り返す波のような曲線が浮かび上がり、その日その日の調子を視覚的に読み取れるとされています。
20世紀初頭に提唱されたとされる歴史
バイオリズムの考え方は、20世紀初頭にドイツやオーストリアの研究者たちによって提唱されたと伝えられています。当初は事故や体調不良との関連を統計的に示そうとする試みとして注目を集め、その後さまざまな分野に応用が試みられてきたとする経緯が知られています。日本でも一時期、企業の安全管理などに取り入れられた例があったとされています。
科学的な実証は確立されていない
ただし、バイオリズムが実際の体調や出来事の発生と結びついているという主張は、その後の研究では十分に裏づけられていないとされています。医学や心理学の分野では、科学的に実証された理論としては扱われておらず、あくまで一つの考え方として受け止められているのが実情です。この点は、正直にお伝えしておきたいところです。
数式ではなく、気づきのきっかけとして
科学的な裏づけがないからといって、バイオリズムを楽しむことに意味がないわけではありません。今日は少し慎重に過ごそう、感情の波が高まりやすい時期かもしれない、といった具合に、自分の状態を振り返るきっかけとして向き合えば、日々の暮らしに小さな彩りを添えてくれます。
周期を計算して一喜一憂するよりも、調子の良い日も、そうでない日も、どちらも自分の一部として受け止める視点を持つことのほうが、バイオリズムという考え方の本来の楽しみ方に近いのかもしれません。
心と体には、誰にでも波があります。その波を無理に均そうとせず、今日はどんな波が来ているのだろうかと、軽い気持ちで波を受け入れて一日を終えてみてはいかがでしょうか。