家の中にも吉凶の方角がある、と聞けば、多くの方がまず思い浮かべるのは「風水」という言葉ではないでしょうか。玄関はどの向きがよいのか、寝室はどこに配置すべきか――住まいの間取りを考えるとき、方位を意識したことがある方は少なくないはずです。風水は、古代中国に起源を持つとされる、気の流れと環境の調和を読み解く考え方です。今日は、住まいに取り入れられている風水と方位の基本的な考え方を天啓の防壁がご紹介します。
「気」の流れを整えるという発想
風水の根底にあるのは、目に見えない「気」という生命エネルギーが、住まいや土地の中を巡っているという考え方です。この気の流れがよどみなく通る空間は暮らしにも良い影響を与えるとされる一方、滞りが生じると調子を崩しやすくなるとも言われています。家具の配置や色使い、換気や採光といった、住まいの環境を整えることそのものが、風水の実践の中心にあります。
方位ごとに意味づけられてきたもの
風水では、東西南北それぞれの方位に、異なる意味合いが古くから与えられてきたとされています。東は新しい始まりや仕事に関わる方位、南は人との縁や評判に関わる方位、西は金運に、北は落ち着きや休息に結びつけられることが多いようです。玄関やリビング、水回りといった空間の役割ごとに、相性のよいとされる方位を意識するのも、住まいの風水でよく語られる考え方の一つです。方位が持つとされるこうした性格を知ったうえで、部屋の使い方を工夫するのが、住まいの風水の基本的な楽しみ方です。
年運を見る九星気学とは異なるもの
方位を扱う占いとしては、生まれ年から吉方位を導く「九星気学」もよく知られていますが、あちらは一年ごとに巡る運気や引っ越しの吉凶を読み解く暦の占いです。一方、住まいの風水は、間取りや家具の配置そのものを対象にした、暮らしの空間づくりの知恵に近いものだと言えるでしょう。両者は起源を同じくしながらも、目を向ける先が少し違うのです。
できるところから、少しずつ
風水のすべてを完璧に実践しようとすると、かえって窮屈に感じられるかもしれません。玄関を掃除して明るく保つ、寝室の物を減らして風通しをよくするなど、日々の掃除や片付けの延長として取り入れられるものが数多くあります。
難しく考えず、気になった場所から一つずつ整えていけば十分です。
まずはできることから、暮らしに小さく取り入れてみてはいかがでしょうか。