御朱印帳を忘れてしまった参拝で、せめて写真だけでも収めておこうと考えたことはないでしょうか。カメラに収めるという発想は、旅の記録としてはごく自然なものです。けれど、御朱印はもともと、写真として持ち帰るものではなく、実際に手元に受け取るものとして受け継がれてきました。今日は、御朱印帳がなくてもいただける「書き置き」という形式について、天啓の防壁がご紹介します。

「書き置き」というかたち、あらためて

以前の記事でも触れましたが、あらかじめ半紙に書かれた「書き置き」の御朱印を授与する社寺は少なくありません。御朱印帳を持ち歩けない事情や、限られた滞在時間の中でも、参拝の証を受け取れるようにという心配りから広まった形式と言われています。写真とは異なり、実際に一枚の紙として手に受け取ることができる点が、書き置きの大きな特徴です。

御朱印帳を忘れたときは

参拝の途中で御朱印帳を忘れたことに気づいたら、まずは社務所で書き置きの有無を尋ねてみるとよいでしょう。多くの場合、書き置きを授与してもらえますが、御朱印帳への直書きのみに対応する社寺や、書き置き自体を用意していない時期もあり、対応は社寺によってさまざまとされています。旅先での急な参拝など、御朱印帳を持ち歩けない場面は誰にでもあるものなので、遠慮せずに尋ねてみることをおすすめします。

半紙のまま持ち帰る、という選択

いただいた書き置きは、後日、自分の御朱印帳に糊やのりしろで貼りつけて保管することができます。すぐに貼らず、しばらくは半紙のまま大切に保管しておく方もいるようです。慌てて貼りつけるより、落ち着いた時間にゆっくり向き合うほうが、参拝の記憶とともに丁寧に納められるかもしれません。

写真は、あくまで記録のためのもの

御朱印を写真に収めること自体は、参拝の記録として楽しむ分には差し支えありませんが、書き置きが授与されている社寺であっても、写真の撮影を控えてほしいと案内している場合もあります。特に、目の前で丁寧に筆を運んでいただいている最中の撮影は、控えるのが望ましいとされています。写真は思い出の一部として、実際にいただいた御朱印とはまた別のものとして楽しむのがよさそうです。

次に御朱印帳を忘れてしまっても、慌てる必要はありません。まずは社務所で書き置きの有無を尋ねてみてください。半紙一枚であっても、その手で受け取る喜びは、写真だけでは代わりになりません。